2014年11月26日水曜日

12. ギリシャ語 前置詞

属格のみを支配する前置詞

ἀντί 〜の代わりに 「アンチの代わりに」 英:instead of
ἀπό 〜から離れて 英:away
ἐκ, ἐξ 〜の中から
πρό 〜の前に 

 与格のみを支配する前置詞

ἐν 〜の中に、〜において
σύν 〜共に 

 対格のみを支配する前置詞

ἀνά 〜を上って ANAの飛行機を上って
εἰς, ες 〜の中へ

複数の格を支配する前置詞

支配する格ごとに意味もまた異なる

(イ)二格を支配するもの
属格支配の場合、以下の前置詞の意味は
διά 〜を通って、〜を横切って 独:durch
κατά 〜から下へ、〜に対して 
μετά 〜と共に 
ὑπέρ 〜のに、〜の為に 独:über

対格支配の場合、以下の前置詞の意味は

διά 〜の故に、為に 独:durch
κατά 〜に沿って、従って 英:according to
μετά 〜の後に(時間的にも空間的にも) metaphysics(自然学の後に=形而上学)
ὑπέρ 〜を超えて 独:über

(ロ)三格を支配するもの

属格支配の場合、以下の前置詞の意味は

ἀμφί 〜について
ἐπί 〜のに、〜の時代に 英:epoch(時代、時期)
παρά 〜から 英:parallel(並行)
περί 〜について 英:peripheral(周囲の)
πρός 〜において、〜から見て
ὑπό 〜によって、〜のから

与格支配の場合、以下の前置詞の意味は

ἀμφί 〜について、〜に関して(属格と同じ)
ἐπί 〜のに(属格と同じ)
παρά 〜の所で 英:parallel(並行)
περί 〜の周りで 英:peripheral(周囲の)
πρός 〜の傍で
ὑπό 〜の

対格支配の場合、以下の前置詞の意味は

ἀμφί 〜の周りに、〜の傍に 英:ambience(雰囲気、環境)
ἐπί 〜へ向かって、〜の方へ
παρά 〜の傍へ、〜に沿って 英:..parallel(並行)
περί 〜の周りに、〜の傍に、〜について 英:peripheral(周囲の)
πρός 〜の方へ、〜へ向かって
ὑπό 〜の

※「〜の周り」という意味の前置詞は「〜について」という意味も持っていることが多い

母音で終わる前置詞が母音で始まる語に先行する場合、

母音連続を避けて語調を善くする為に、語末の母音を落とす(省音=elision)

ἀπό ἀρχῆς → ἀπ' ἀρχῆς

※これは前置詞に限ったことではない。

動詞と結んで合成動詞を造ることはラテン語、ドイツ語等と同様である

ἀπό + ἄγω → ἀπάγω 連れ去る take away
παρά + ἔχω → παρέχω 提供する
περί + ἄγω → περιάγω 引き廻す
πρό + ἔχω → προέχω 優越する
ἐν + πίπτω → ἐμπίπτω 落ち込む
σύν + στέλλω → συστέλλω まとめる
σύν + κομίζω → συγκομίζω 集める
σύν + λαμβάνω → συλλαμβάνω 助ける

前置詞の他に準前置詞と呼ぶべきものがあり、

それらは動詞と結んで合成動詞を作る機能に欠けている

例えば
ἄνευ
ἕνεκα, ἕνεκεν
μεταξύ
ἅμα

ἄνευ 〜無しで
ἕνεκα, ἕνεκεν 〜の故に
μεταξύ 〜の間に(以上、属格支配)
ἅμα 〜と共に、〜と同時に(与格支配)

練習問題22

ἀλλος, η, ο 他の 英:other, alter 独:ander
ἅμα ... (与格支配)〜と同じときに
᾿Αριστείδης, ου, ὁ アリステイデース(アテーナイの有名な政治家)
βάρβαρος, ου, ὁ 英:barbarian(未開人、野蛮人)
διάγω 暮らす、生活する
διαπέρω ... (与格支配)〜より優る
διδάσκαλος, ου, ὁ, ἡ 先生、教師 
εἰσβάλλω 侵入する εἰσ(中へ) + βάλλω(投げる)
ἑορτή, ῆς, ἡ 祝祭、祭り holiday
ἑορτήν ἄγω 祭りを祝う
ἥκω 来る、来た
θάνατος, ου, ὁ 死
μακάριος, α, ον 幸福(blessed, happy)
νῆσος, ου, ἡ 島 ネスが居る島
πεδίον, ου, τό 平野 英:plain
ποταμός, οῦ, ὁ 川 英:river, stream ポタポタ垂れる水もそのうち川になる
στενός, ή, όν 狭い 英:strait(海峡、瀬戸、難局、苦境)
σῴζω, σώσω 救う 英:save
σωφροσύνη, ης, ἡ 節度 

1. διέφερε Ἀριστείδης τῶν ἄλλων Ἀθηναίων δικαιοσύν καί σωφροσύν καί εὐσεβεί.
アリステイデースは(男性単数主格)他のアテーナイ人達に(男性複数属格)正義(単数与格)と節度(単数与格)と敬虔さ(単数与格)で以て優れていた。

2. μετά τόν θάνατον αἱ τῶν ἀγαθῶν ψυχαί διγον ἑν ταῖς τῶν μακαρίων νήσοις.
死の後に(対格支配)善き人々の(複数属格)魂達は(複数主格)諸浄福の人々の(複数属格)島々に(複数与格)暮らしていた。

3. σαν κῶμαι μικραί παρά τόν ποταμόν.
小さな村々は(複数主格)その川(単数対格)に沿ってあった。

4. ἅμα τ ἡμέρ εἰσέβαλλον εἰς τήν ἀγοράν οἱ βάρβαροι.
夜明け(単数与格)と共に、野蛮人達は(複数主格)アゴラへ(単数対格)侵入していた。
5. στενή ὁδός ἄγει διά τοῦ πεδίου εἰς τήν κώμην.
狭い道は平野(単数属格)を通って村へと続いている。

6. ἄγουσιν οἱ μέν καλοί ἐπί τά καλά, οἱ δέ πονηροί ἐπί τά πονηρά.
一方では良い人々が良い諸事柄(中性複数対格)の方へと通じ、他方では悪い人々が悪い諸事柄(中性複数対格)の方へと通じる。

7. διά τήν νίκην ἑορτήν γον οἱ πολῖται.
国民達は勝利(単数対格)の故に、祭り(単数対格)を祝っていた。

8. ἥκω ἐξ ᾿Αθηνῶν παρά τοῦ διδασκάλου.
アテーナイ市(複数属格)から、先生の元から(単数属格)私は来る。

9. σύν τοῖς θεοῖς σώσετε τούς νεανίας ἐκ τῶν δεινῶν κινδύνων.
あなた達は神々(複数与格)と共に若者達を(複数対格)恐ろしい様々な危険(複数属格)から救うであろう。

10. τοῖς ἀνθρώποις τοῖς δικαίοις καί θεοί συνελάμβανον.
神々でさえ(複数主格)正しい人間達(複数与格)を援助していた。

2014年5月21日水曜日

11. ギリシャ語 形容詞—母音幹(第一、第二)変化の形容詞

練習問題

ἀθάνατος, ον 不死の ア(否定)タナトス(死)
Ἀθῆναι, ῶν, αἱ アテーナイ市
ἄλυπος, ον ア(否定)リュポース(苦痛、憂い)
ἄξιος, α ον 〜に値する(属格支配)
Ἀριστοτέλης, ους, ὁ アリストテレース
βίον ἄγω 生活する
γλυκείς 甘い
ἔργον, ου, τό 仕事
μέν ... δέ ... 一方は〜だが、他方は〜
μικρός, ά, όν 小さい、短い ミクロ
μόνος, η, ον ひとりの、ただ〜だけ 英:only
νόσος, ου, ἡ 病、災い
ὅτι 〜ということ 英:that
παιδεία, ας, ἡ 教育 「教育する」はパイデウオー
πικρός, ά, όν 苦い 
πόλεμος, ου, ὁ 戦争
πονηρός, ά, ον 悪い
συλλαμβάνω 援助する(与格支配)
σύμμαχος, ου, ὁ 戦友、同盟者
σῴζω 救う 友の最悪の自体を「想像」して事前に「救う」
φέρω 道が通じている、齎す
φιλόσοφος, ου, ὁ 哲学者

βίος, ου, ὁ 生
θεός, οῦ, ὁ, ἡ 神
κακός, ή, όν 悪い、卑怯な、哀れな
πενία, ας, ἡ 貧乏
νόσος, ού, ἡ 病気、災い

1. μακρά ὁδός φέρει εἰς ᾿Αθήνας.
長い道はアテーナイへと続いている。

2. ἀθάνατος ἡ ψυχή.
魂は不滅である。

3. ᾿Αριστοτέλης ὁ φιλόσοφος ἔλεγε τῆς παιδείας τάς μέν ῥίζας εἶναι πικράς, γλυκεῖς δέ τούς καρπούς.
哲学者であるアリストテレースは、教育の根は苦いが、果実は甘いと語っていた。
※τῆς παιδείαςの属格が二つの名詞にかかっている。

4. ἀγαθά δένδρα ἀγαθούς φέρει καρτούς, πονηρά δέ πονηρούς.
良い木々は良い果実(複数)を齎し、悪い木々は悪い果実(複数)を齎す。
※中性複数形が主語の場合、述語同士は単数形である

5. ἐσῴζετε ἐκ τῶν δεινῶν κινδύνων τούς ναύτας.
あなた達は恐怖の危険から水夫達を救った。

6. ἄλυπον βίον ἄγουσι μόνοι οἱ θεοί.
神々だけが(男性複数主格)憂いのない生を(男性単数対格)生きる。
7. έν τ πρός τούς κακούς πολέμ συμμάχους ἔχομεν τούς θεούς.
悪い人々(男性複数対格)に対する戦争に(男性単数与格)において、我々は同盟者達である神々を(男性複数対格)持つ。

8. οὐ νομίζεις τήν πενίαν μικράν νόσον;
あなたは貧乏を(女性単数対格)小さな災い(女性単数対格)と見なさないのか?

9. γράφει σοφιστης ὅτι σπουδῆς ἀξία ἐστιν ἀρετη.
ソフィストは徳が勤勉する価値あることを書く。

10. ἔργ δικαί και θεος συλλαμβάνει.
正しい仕事には神でさえ援助する。

2014年5月20日火曜日

02. ラテン語 第一変化名詞 「である」の直接法•現在の変化

第一変化名詞


単数
主格 stella すてっら
属格 stellae すてっらえ
与格 stellae すてっらえ
対格 stellam すてっらむ
奪格 stella すてっらー

「あ、和え和え(料理しろ)。編む?(編み物するの?)あー...(落胆)」

複数
主 stellae すてっらえ
属 stellarum すてっらーるむ
与 stellis すてっりーす
対 stellas すてっらーす
奪 stellis すてっりーす

「会え、アールム(という人に)。イース(東だ)、アース(明日)、イース(東だ)」

 

 

sum「ある、である」の直接法•現在の変化


括弧内はフランス語

単数
1 sum (suis)
2. es (es)
3. est (est)

複数
1. sumus (sommes)
2. estis (êtes)
3. sunt (sont)


単語

aqua 水
aquila 鷲
bestia 獣 英語のbeast
causa 原因 英語のcause
corona 冠
cura 心配 英語のcare
dea 女神
fama うわさ
filla 娘 フランス語のfille(フィーユ)=娘
gloria 栄光
incola 住民
insula 島 英語のisland
ira 怒り 「イラっ」
luna 月
musca 蠅 
patria 祖国
porta 門 フランス語のporte(ポルト)=門
puella 少女
pugna 戦い   英:pugnacious(喧嘩早い、好戦的な)
regina 女王
rosa ばら
sapientia 智慧
silva 森
terra 土地
umbra 陰 仏:ombre(陰)
via 道
saepe sometimes
vipera へび 英:viper(マムシ)
sub under
ala 翼
volo 飛ぶ
devoro 飲みこむ
narro 物語る
nutrico 育てる

練習問題

1. Fama volat.
Rumor flies.

2. Rana muscas devorat.
A frog swallows flies.

3. Poeta narrat gloriam Romae.
A poet narrates glory of Roma.

4. Puellae donant Dianae deae coronam rosarum.
Girls give to a goddess Diana a circle of roses.

5. Agricolae estis et habitatis in silvis.
You guys are peasants and you live in forest.

6. Aquila non captat muscam.
An eagle does not catch a fly.

7. Viperam sub ala nutricas.
You nurture a snake under wings.

8. Justitia saepe causa gloriae est.
Justice sometimes is a cause of glory.

9. Minerva et Diana deae sunt. Minerva dea sapientiae et prudentiae est, Diana domina silvarum et bestiarum.
Minerva and Diana are goddesses. Minerva is a goddes of wisdom and knowledge, (and) Diana (is a goddes of ) forests and beasts.

2014年5月12日月曜日

01. ラテン語 第二週1 第一•第二変化動詞

〈はじめに〉

 当サイトをご訪問いただきありがとうございます。このブログは古典ギリシャ語・ラテン語の文法事項や単語を初学者が効率的に覚える方法はないかと考えた末に、私が考案した語呂合わせを紹介しています。
  語呂合わせで覚えるという方法は、言語学的にほぼ関係のない日本語と古典ギリシャ語・ラテン語を無理矢理結びつけるという点で、必ずしも推奨されるべき学 習法とは言えません。しかし、いずれは語呂合わせを捨て去ることを前提にすれば、学習の始めに限っては語呂合わせを有効活用することは有益であると考えて います。最初は語呂合わせに頼っていても、そのうち頼らずとも読めるようになり、いずれは語呂合わせ自体を忘れてギリシャ語・ラテン語が読解可能になるこ とが最終的な目標です。
 古典ギリシャ語・ラテン語の独習者は勿論のこと、特に大学の授業等でギリシャ語・ラテン語を履修されている初学者の方の参考として活用して頂ければと思います。また、練習問題の解答は私の試訳であり、間違いがないことを保障するものではありませんのでご了承下さい。
 また、当ブログの古典ギリシャ語・ラテン語関連の一連の投稿は、それぞれ『ギリシア語入門 改訂版』 『新ラテン文法』の構成に沿っています。ただし『ギリシャ語入門 改訂版』『新ラテン語文法』の内容をそのまま載せているわけではなく、最も基本的な文法事項を覚えるための効果的な語呂合わせを中心に紹介しています。 当ブログで扱いきれていない詳しい文法事項については、岩波全書『ギリシャ語入門 改訂版』『新ラテン語文法』を始めとする古典ギリシャ語・ラテン語の基本書を参照して下さい。

amo(第一変化動詞)の変化

単数
1. amo
2. amas
3. amat

複数
1. amamus
2. amatis
3. amant

--

moneo(第二変化動詞)の変化

単数
1. moneo
2. mones
3. monet

複数
1. monemus
2. monetis
3. monent

「オー、ス、ト」(おお、ストライキやってる)
「ムス、ティス、ント」(蒸す、ティ(ラミ)ス、んと…)

第一•第二変化動詞で主要のもの

adjuvo アドユオー 助ける
cogito コギトー 考える
erro エッロー 誤る
habeo ハベオー 持つ
habito ハビトー 住む
laboro ラボーロー 働く
laudo ラウドー 褒める
maneo マネオー とどまる
monstro モーンストロー 示す
pecco ペッコー 罪を犯す 英:peccadillo(ちょっとした過ち、微罪、スペイン語)
rideo リデオー 笑う

saluto サリュートー 挨拶する
specto スペクトー 見る
sedeo セデオー 座っている
taceo タケオー 黙っている
valeo ウァレオー 元気でいる

video ウィデオー   見る
voco ウォコー 呼ぶ
vel  ウェル   or
et   エト    and
neque ... neque ... ネク〜ネク〜 neither nor
sed  セド    but

練習問題

1. habitat
he/she lives

2. vocas
you call

3. juvamus
we help

4. monstrat
he/she demonstrates

5. Video et rideo.
I see and laugh

6. Neque sedetis neque tacetis.
You all neither sit nor are silent.

7. Cogitamus vel laboramus.
we think or labor

8. Spectant et salutant.
they see and greet

9. Non peccas sed erras.
you do not sin but error

10. Tacent sed rident.
They are silent but laughing

10. ギリシャ語 第二変化(O-変化)の名詞—男性•女性•中性

第二変化(O-変化)の名詞—男性•女性•中性

 
男性女性も同じ変化)

単数
ἄντρωρος
属 τοῦ ἀνθπώπου
与 τ ἀνθπώπ
対 τόν ἄνθρωπον
(呼 ἄνθρωπε

複数
οἱ ἄνθπωποι
属 τῶν ἀνθρώπων
与 τοῖς ἀνθρώποις
対 τούς ἀνθρώπους
(呼 ἄνθρωποι

「オス、ウー、オー、オン」
「オイ、オーン、オイス、ウース」
 
中性
τό δῶρον 賜物

単数
τό δῶρον
属 τοῦ δώρου
与 τῷ δώρ
τό δῶρον
(呼 δῶρον

複数
τά δῶρα
属 τῶν δώρων
与 τοῖς δώροιςτά δῶρα
(呼 δῶρα

オン、ウー、オー、オン
、オーン、オイス、
※中性は主格と奪格が同形

練習問題18

ἀγρός, οῦ, ὁ 畑 英:agriculture
᾿Αθηναῖος, ου, ὁ アテナイ人
Αἰγύπτιος, ου, ὁ エジプト人
ἄμπελος, ου, ἡ ぶどうの樹
ἄστρον, ου, τό 星
βίος, ου, ὁ 生活
γεωργός, οῦ, ὁ 農夫 ゲオルグ=農夫
γιγνώσκω 知る(come to know)
δένδρον, ου, τό 樹木、茂み
δοῦλος, ου, ὁ 奴隷
ἥλιος, ου, ὁ 太陽
θεός, οῦ, ὁ 神
θεραπεύω に仕える、の世話をする 「寺」の「ペウ」さんに仕える
ἰατρός, οῦ, ὁ 医者
καρπος, οῦ, ὁ 果実、収穫物(fruit) フルーツを刈るポー
κίνδυνος, ου, ὁ 危険 金土の近所は危険だ
λίθος, ου, ὁ 石
λόγος, ου, ὁ 言葉、話
μισθός, οῦ, ὁ 報酬 「ミスト」というゲームを売った「報酬」
νόμος, ου, ὁ 法
οὐρανός, οῦ, ὁ 天空
ὀφθαλμός, οῦ, ὁ 目 英:optical
πόνος, ου, ὁ 労苦 
σελήνη, ης, ἡ 月 セレナーデ
τρόπος, ου, ὁ 性格 「とろ」くて「ぽ」ーっとしてる「性格」
φίλος, ου, ὁ 友人 英:friend
χαίρω 喜ぶ カイロに行ったので喜ぶ
χρόνος, ου, ὁ 時間、時代

1. ὁ χρόνος ἰατρός τῶν πόνων ἐστίν.
時間は労苦の医者である。

2. οἱ δοῦλοι τούς δεσπότας θεραπευουσιν.
その奴隷達は主人達を(に)仕えている。

3. αἱ ἄμπελοι τᾠ ἡλίῳ χαίρουσιν.
ぶどうの木々は太陽に(を)喜んでいる。

4. οὐ πιστεύετε τοἰς τὠν φίλων λόγοις;
あなた達は友人達の言葉(複数)を信じないのか?

5. τούς νόμους γράφουσιν οἱ ᾿Αθεναῖοι εἰς λίθους.
アテナイ人達は法(複数)を石(複数)に書いている。

6. ἐν τοῖς κινδύνοις γιγνώσκομεν τούς τῶν ἀνθρώπων τρόπους.
危機的状況(複数)のうちに、我々は人間達の諸性格を知る。

7. οὐ γιγνώσκεις τούς τοῦ βίου πόνους.
生活の様々な労苦をあなたは知らない。

8. οἱ δοῦλοι ἔφερον τούς καρπούς ἐκ τῶν ἀγρῶν εἰς τήν οἰκίαν.
奴隷達は収穫物(複数)を畑から家へと運んでいた(未完了過去。一人称単数と三人称複数は語尾が-ονで一緒)。

9. οἱ γεοργοί τούς τῶν ἀγρῶν καί τῶν δένδρων καρπούς ἕξουσι μισθόν τῶν πόνων.
農夫達は畑と樹木の収穫物(複数)を労苦の報酬として持っていた。

10. οἱ Αἰγύπτιοι ἐνόμιζον τόν ἡλιον καί τήν σελήνην εἶναι θεούς.
エジプト人達は太陽と月を神であると見なしていた。

2014年5月6日火曜日

09. ギリシャ語 未完了過去直説法能動相、不定法

未完了過去直説法能動相

基本的にはまず語の頭に e の音を追加する。

一人称単数と三人称複数の語尾が共に-ονで同形である

παιδεύω 教育する

単数形
1. παίδευον
2. παίδευες
3. παίδευε

複数形
1. παιδεύομεν
2. παιδεύετε
3. παίδευον

--

ἄρχω 支配する

単数
1. ρχον
2. ρχες
3. ρχε

複数
1. ρχομεν
2. ρχετε
3. ρχον

〈覚え方〉
「オン、エス、エ、オメン、エテ、オン 」なので、

過去に「恩」があった人に会ったが、会わないうちになぜかド「エス」になっていて、「え」ーっと思った
「お面、得て」「恩」返し

〈未完了過去とは?〉
未完了過去はある動作または状態が、過去において
継続、反復、または開始されるものとして叙述する時称である。
つまり
「〜していた」
「〜しつつあった」
「〜しようとしていた」
と訳して適切である場合が多い。
単に「〜した」というのとは意味合いが異なる

不定法(現在能動相)は動詞幹にεινを添えた形である。

παιδεύειν
教育すること
πέμπειν 
送ること


練習問題16


ἆρα 果たして〜だろうか
γάρ なぜなら〜だから(for = because)
ἔχω 持つ、である(未完了過去)
ἡσυχίαν ἄγω 静かにしている
κρούω 叩く なんでも「叩いて」くるヤマザキが「くる〜」
πελάζω 近づく 「ペラ」ペラした一反木綿が「近づく」ので「ぞ」っとした
δέ しかし、そして、なぜなら

1. κρούομεν τήν θύραν.
その扉を我々は叩いていた。

2. τήν στρατιάν πεμπον εἰς τήν χώραν
πέλαζον γάρ οἱ Πέρσαι.
その軍隊を(τήν στρατιάν)その国の中へと(εἰς τήν χώραν)彼らは送っていた(πεμπον) が、それはペルシャ人たちが(οἱ Πέρσαι)その国へと近づく(πέλαζον)ためであった

3. τί οὐκ κλειες τάς τῶν οἰκιῶν θύρας;
なぜ(τί)あなたは家々の多くの扉を閉めなかったのか

4. ὁ οἰκέτης γε τόν σοφιστήν εἰς τήν ἀγοράν.
その召使いは(ὁ οἰκέτης)そのソフィストを(τόν σοφιστήν)アゴラへと(εἰς τήν ἀγοράν)導いていた(γε)。

5. τί δέ ἐπιστολέν ούκ γραφες τῷ νεανίᾳ;
しかし(δέ)、なぜ(τί)手紙を(ἐπιστολέν)その若者に(τῷ νεανίᾳ)あなたは書かなかったのですか(ούκ γραφες)?

6. ρεσκε τῷ ποιητῇ ήσυχίαν ἄγειν.
静かにしていることは(ήσυχίαν ἄγειν)その詩人によって(τῷ ποιητῇ)気に入られていた(ρεσκε
=その詩人は静かにしていることが好きであった

7. πίστευον οἱ δεσπόται τοῖς οἰκέταις;
その主人たちは(οἱ δεσπόται)その召使いたちを(τοῖς οἰκέταις)信じていただろうか(πίστευον)?

8. ἆρ᾿ θαυμάζετε τήν τῶν μαθητῶν σπουδήν;
果たして(ἆρ᾿)あなた達はそれらの生徒達の勤勉を(τήν τῶν μαθητῶν σπουδήν)(に)驚いただろうか(θαυμάζετε)?

9. τῖμήν εἶχεν ὁ στρατιώτης διά τήν ἀπετήν.
その軍隊は(ὁ στρατιώτης)自身の徳(実績)のために(διά τήν ἀπετήν)名誉を(τῖμήν)持っていた(εἶχεν)。

10. ἐπί τῆς ἁμάξης γον οἱ μαθηταί τάς τραπέζας.
その車の上へと(ἐπί τῆς ἁμάξης)、弟子達は(οἱ μαθηταί)多くのテーブルを(τάς τραπέζας)運んでいた(γον)。

2014年5月5日月曜日

08. ギリシャ語 -ας, ης に終わる男性名詞

女性名詞に付く冠詞と男性名詞に付く冠詞は異なる


〈変化〉
νεανίας
(「若者」という意味)

単数形
νεανίας
τοῦ νεανίου
τῷ νεανίᾳ
τόν νεανίαν

対格は女性名詞と同じくやはり-νで終わる。
与格は-ᾳと、小さいιが付いているのでわかりやすい。
属格は女性形とは大きく異なる。先に習った女性形単数属格は例えばτῆς ταλάττηςと語尾が-ςで終わっていたが、
この男性形単数属格は-ουで終わっている。

変化する箇所だけを連ねると
「ホ、トゥー、トー、トン」となる。
ほぉりましたか、10トン」(関税)と覚える。

複数形
οἱ νεανίαι
τῶν νεανιῶν
τοῖς νεανίαις
τούς νεανίας

変化する箇所だけを連ねると
「ホイ、トーン、トイス、トゥース」となる。
 「ホイというトーン(音)が遠いっす、というわけで改善策としてトゥース!と叫ぶ」
と覚える。

「トイス」で終わるものは複数与格。
「トゥース」で終わるのが複数対格。これから s の音がなくなって「トゥー」だけなのが単数属格。



練習問題

 

〈単語〉
νεανίας 若者 「ニヤニヤ」する若者
στρατιώτης 兵士 
ποιητής 作者、詩人 ポイエーシス(制作)
᾿Αναξαγόρας アナクサゴラス
δεσπότης 主人 主人が「デス」クで「ポッート」している
διά 〜の故に
δίδωσι 与える(三人称単数) 児童に詩を与える
δικαιοσύνη 正義(righteousness)
δικαστής 裁判官
εὐεργέτης 恩恵者(benefactor)
Εὐριπίδης エウリーピデース(悲劇詩人)
εὐσέβεια 敬虔(reverence) 「エウ」は良いイメージ
ἡσυχία 静穏 ふす(ま)開きあー 襖のある静かな部屋のイメージ
τουκυδίδης トゥーキューディデース(歴史家)
καί 〜すら(even)(and という意味もある)
μαθητής 弟子 「待てー、と」弟子が師匠に言われる
μακρά 長い 長い「枕」
ναύτης 水夫 羅:nauta(水夫)
νομίζω 見なす 神がお前をどう見なしているかは神「のみぞ」知る
νομοθέτης 立法家 ノモス
οἰκέτης 召使い 「お池」を「と」っとと綺麗にする召使い
πολίτεία 国家 プラトン
πολίτης 市民
πρός 〜に対して 羅:pro
σοπιστής ソフィスト
σωτηρία 安全
ὡς 何と! 


〈問題〉
1. τίμήν ἔχει ὁ ποιητής διά τήν σοφίαν.
詩人は(ὁ ποιητής)彼の智慧によって(διά τήν σοφίαν)名誉を得る(τίμήν ἔχει)。

2. τῷ σοφιστῇ δίδωσι ὁ οἰκέτης τήν του δεσπότου ἐπιστολήν.
ソフィストに(τῷ σοφιστῇ)召使いは(ὁ οἰκέτης)主人の手紙を(τήν του δεσπότου ἐπιστολήν)差し出す(δίδωσι)。

3. Θουκυδίδης καί Εὐρῖπίδης μαθεταί ἦσαν τοῦ ᾿Αναξαγόρου.
トゥーキューディデースとエウリピデースは(Θουκυδίδης καί Εὐρῖπίδης)アナクサゴラスの弟子たちであった(μαθεταί ἦσαν τοῦ ᾿Αναξαγόρου)。

4. καί τοῖς ναύταις ἀρέσκει ἡ τῆς θαλάττης ἡσυχία.
若者達にさえも(καί τοῖς ναύταις)海の静穏は(ἡ τῆς θαλάττης ἡσυχία)気に入らせる(ἀρέσκει)
=海の静穏は若者達さえも気に入る。

5. τούς νομοθέτας νομίζομεν εὐεργέτας.
立法家たちを(τούς νομοθέτας)恩恵者たち(εὐεργέτας)と我々は見なす(νομίζομεν)。

6. δεινή ἡ τρός τούς Πέρσας μάχη.
恐ろしいのは(δεινή)ペルシャ人たちに対する戦争(ἡ τρός τούς Πέρσας μάχη)である。

7. οἱ πολῖται οὐ πιστεύουσι τοῖς στρατιώταις.
市民達は(οἱ πολῖται)兵士達を(τοῖς στρατιώταις)信じていない(οὐ πιστεύουσι)。

8. ὡς μακρά ἡ ἐπιστολή, ὦ νεανία.
おお若者よ(ὦ νεανία)、この手紙は(ἡ ἐπιστολή)なんと長いことだろう(ὡς μακρά)

9. ἀγαθήν ἐχεις μάχαιραν, ὦ στρατιῶτα.
おお兵士よ(ὦ στρατιῶτα)、兵士にふさわしい能力(アガテー)(ἀγαθήν)と短剣を(μάχαιραν)あなたは持っている(ἐχεις)

10. ἐν τῇ τῶν πολῖτῶν εὐσεβείᾳ καί ἐν τῇ τῶν στρατιωτῶν ἀνδρείᾳ καί ἐν τῇ τῶν δικαστῶν δικαιοσύνῃ ἐστίν ἡ τῆς πολῖτείας σωτηρία.
市民達の敬虔、兵士達の勇気、そして裁判官の正義のうちに、国家の安全は存している。

07. ギリシャ語 -αに終わる女性名詞

練習問題


〈単語〉
ἀκρἀτεια 放埒、自制できないこと あ、(自制できない衝動)くらって嫌ー
ἀλετεια 真実
ἅμαξα 車
ἁμαρτία 過失、罪過 過失に「はまる」。
ἀρέσκω 気に入る(与格支配) あれ好こー
γλῶττα 舌、おしゃべり
δόξα 名声、思惑、ドクサ
ἐπί の上に、にのせて、に接して
ἦν あった
ταυμάζω 〜に驚嘆する、讃嘆する
κατά に従って(対格支配) according to
κιτάρα キタラ(楽器)。インドのシタール。ギター
κρίνω 判断する  九分「九厘」正しいと「判断する」
λύρα リュラ(楽器)
μέλιττα ミツバチ
μέριμνα 心配 心配するのも「めりむなー」(無理もない)
Μοῦσα ミューズ(芸術の女神)
παίζω 遊ぶ、遊戯する いっ「ぱい」「遊ぶ」「ぞ」ー
παρά の傍に(与格支配) parallel to
πηγή 泉 泉に「ペー」ッっと「ゲ」ロを吐く
πενία 貧乏 
ῥιζα 根 英:root
σπουδή 勤勉、熱心 「熱心」に「スープ芸」を磨く
σφαῖρα ボール 英:sphere
τίκτω 生じる 「ちくっと」痛みが「生じる」
τῖμή 名誉 「地名」のついた大学に入るという「名誉」


〈問題〉
1. ἡ ἀρετή φέρει τῖμήν καί δόξαν.
徳が(ἡ ἀρετή)名誉と名声を(τῖμήν καί δόξαν)齎す(φέρει)。

2. θαυμάζομεν τήν τῶν μελιττῶν σπουδήν.
蜜蜂の勤勉さを(τήν τῶν μελιττῶν σπουδήν)我々は驚く(θαυμάζομεν)。

3. ἑπί τῶν ἁμαξῶν ἄγουσι τραπέζας.
多くの車の上へと(ἑπί τῶν ἁμαξῶν)多くのテーブルをτραπέζας彼らは持っていく(ἄγουσι)。

4. ἡ τῆς γλώττης ἀκράτεια ἁμαρτίας τίκτει.
舌の放埒(=おしゃべりを自制できないこと)は多くの過失を生む。

5. οἰκίαν ἔκει ἐπί τῇ ταλάττῃ ἡ ἀδελφή.
姉/妹は(ἡ ἀδελφή)海の上に(ἐπί τῇ ταλάττῃ)家を持っている(ἔκει)。

6. παρά τῇ πηγῇ παίζουσι καλαῖς σφαίραις.
泉の傍で彼らは美しいボールでもって(与格)遊ぶ
 この与格は手段を表す

7. ἐπί τῆς τραπέζης ἦν λύρα.
テーブルの上には(ἐπί τῆς τραπέζης)リュラがあった

8. κρίνομεν οὐ κατά δόξαν, ἀλλά κατ' ἀλήτειαν.
名声に従ってではなく(οὐ κατά δόξαν)、真実に従って(ἀλλά κατ' ἀλήτειαν)我々は判断する(κρίνομεν)。

9. ἡ λύρα και ἡ κιθάρα ταῖς Μούσαις ἀρέσκουσιν.
リュラとキタラはミューズに(与格)気に入らせている
=ミューズはリュラとキタラを気に入っている。

10. οὐχ ἡ πενία ἀλλ᾿ ἡ ἀδικία ἐστί ῥίζα μεπιμνῶν.
貧困ではなく(οὐχ ἡ πενία)不正が(ἀλλ᾿ ἡ ἀδικία)多くの心配の根源である(ἐστί ῥίζα μεπιμνῶν)。

2014年5月4日日曜日

06. ギリシャ語 未来直接法能動相 2

練習問題

〈単語〉

ἀγαθή 善き、勇敢な
ἀγορά アゴラ(ギリシアの都市において市民生活の中心となった広場、ローマのforumにあたる)
αὔριον 明日 
ἐκ 〜から(属格支配)
ἔχω 未来形になるとἕξω(ヘクソー)。気息記号の向きが逆になる。
κώμη 村 村では「米」を育てている
λείπω 残す
ούν すなわち、つまり、そこで
φυλακή 守備隊 開けー(フュラケー)城下町の大きな扉よ、守備隊が出るぞ

1. ἄξεις.
あなたは導くでしょう。

2. πείσομεν.
我々は説得するでしょう。

3. λείψουσι.
彼らは残すでしょう。

4. ξετον.
二人は持つでしょう。

5. τῇ βίᾳ οὐκ εἴξομεν.
暴力に我々は屈さないでしょう。
 εἴκω エイコー ゆずる、屈する

6. αὔριον πέμψομεν ἐπιστολὰς ταῖς ἀδελφαῖς.
明日我々はあの姉妹達に手紙を送るでしょう。

7. εἰς τὴν ἀγορὰν ἄξεις τὴν στρατιάν.
通路へとあなたは軍隊を導くでしょう。
 ἄγω アゴー 導く、道が通ずる

8. κλείσουσιν οὖν τὰς τῶν οἰκιῶν θύρας.
彼らはそこで家々の戸を閉めるでしょう。
 κλείω クレイオー 閉じる

9. φυλακὴν ξετε ἀγαθήν.
あなた達は善き守備隊を持つでしょう。

10. ἐκ τῆς κώμης οὐκ ἄξεις τὴν φυλακήν.
その村からあなたは守備隊を導かないでしょう。

05. ギリシャ語 未来直接法能動相

・未来幹は動詞幹にς, ο/εを添えたものである。
・他は現在形の変化と全く同様である。
・子音幹動詞の場合には幹末の子音とςが接触して、音韻上(または綴字上)の変化をする。

★ p, b, ph(パ行、バ行、ファ行)の音が幹末に来る場合(π, β, φで終わる場合)は、
s と接触してそれぞれ ps, bs, phs ではなく皆 ps となる。
ἀμείβω アメイー(私は交換する)→ × アメイブソ
→ ἀμείψω アメイー(私は交換するでしょう
γράφω グラフォー(私は書く)→ × グラフソ
→ γράψω グラー(私は書くでしょう

★ k, gの音(カ行、ガ行)が幹末に来る場合(κ, γ, χで終わる場合)は、s と接触して、それぞれ ks, gs ではなく皆 ks となる。
διώκω ディオーー(私は追う)
→ διώξω ディオークソー(私は追うでしょう
ἄγω アー(導く)→ × アグソ
→ ἄξω アクソー(私は導くでしょう

★ t, d(タ行、ダ行)の音が幹末に来る場合(τ, δ, θで終わる場合)は、s と接触して、それぞれ ts, ds ではなく(これでは言いにくいので)皆 s だけになる。
τείθω テイー(私は説得する)→ × テイトゥソ
→ τείσω テイー(私は説得するでしょう

04. ギリシャ語 ηに終わる女性名詞

練習問題


〈単語〉
ἀδελφή 姉妹
αἰτία 原因
ἀνδρεία 勇気
ἀνδρείως 勇敢に、男らしく(副詞)
δέ だが(文頭にはこない)
δίκη 正義
δόξα 名声
εἰρήνη 平和
ἁρετή 徳
ἀρχή 始まり
ἀτυχία 不運
βλάβη 加害
δεινή 恐ろしい 恐ろしいでいね〜
καί and, even
καλή 美しい
λύπη 苦悩 なぜかいつも「リュ」ックに唾を「ペ」ッとされる。苦悩の日々
μάχη 戦い 戦いにはいつも「負けーる」
πολλάκις しばしば
σίγή 沈黙 「しげ」しげと見ているときは誰もが沈黙している
ἐπιστήμη 知識
ἐπιστολή 手紙
ἐστι ある(三人称単数)
ζημία 罰 「(今日もまたあの)ゼミ、あー(これは罰か)」
ἡδονή 快楽 楽しすぎて「反吐」なんか出「ねぇ」
τελευτή 終結
τροφή 食物 トロ増ぇー
ὕλη 森、質料
φέρω 堪える、はこぶ、もたらす
φωνή 声


1. καλη ἡ νίκη ἐστίν.
勝利は美しい。

2. ἡ ἐπιστήμη τῶν ψυχῶν τροφή.
知識は多くの精神の食物(栄養)である。

3. ἡ δόξα σκια τῆς ἀρετῆς.
名声は徳の陰である。

4. νίκης αἰτία ἡ ἀνδρεία.
勇気は勝利の要因である。

5. καλην ἔχει φωνήν.
彼/彼女は美しい声持っている

6. ἐν τῇ ὕλῃ δεινη ἡ σιγή.
森の中での沈黙は恐ろしい。

7. ἀνδρείως φέρετε λύπην και βλάβην.
あなた達は勇敢に苦悩と加害に耐える。
 φέρωは「堪える、はこぶ、もたらす」という意味

8. ἡ λύπη πολλάκις ζημία τῶν ἡδονῶν και ἐπιθυμιῶν.
苦悩はしばしば快楽と欲望の(=によって齎される)罰である。

9. ἡ επιθυμία ἡδονῶν πολλάκις εἰς ἀδικίαν και ἀτυχίαν ἄγει.
快楽(へ)の欲望はしばしば不正と不運へと導く。

10. τί οὐ γράφεις ἐπιστολην τῇ ἀδελφῇ;
なぜあなたは姉妹に手紙を書かないのか?

11. ἡ δε νίκη την τῶν μαχῶν τελευτην φέρει και την τῆς εἰρήνης ἀρχήν.
しかし、勝利は戦いの終わりと、平和の始まりを齎す。
 δεは「しかし」という意味

2014年5月3日土曜日

03. ギリシャ語 定冠詞(女性)の変化

定冠詞(女性単数)の変化

単数主格 ἡ ヘー
単数属格 τῆς テース
単数与格 τῇ テー
単数対格 τήν テン

複数主格 αί アイ
複数属格 τῶν トーン
複数与格 ταῖς タイス
複数対格 τάς タース

〈語呂合わせ〉
「へー、テース(ト)、テー(定)、点」
「アイ(愛)、トーン、タイス、タース」(先述の「愛、おーん、愛す、アース(地球)」の覚え方に、主格以外にtの音をつける)

テストの点が月並みなイメージ。
「タイス」と来たら、「あいつ」と連想して与格


練習問題

ἄγω アゴー 導く、道が通ずる 「アゴラ」は道のこと
ἀδικία アディキアー 不正 ア(否定)ディキア(正義)
βία ビアー 力、暴力
βλάπτω ブラプトー 害する 「ぶらぶら」していると自分を「害する」
εἴκω エイコー ゆずる、屈する 敵に「屈して」栄光を渡してしまう
εἰς エイス 〜の中へ 「えいっ」「す(っと)」中に入る
ἐν エン 〜の中に、〜において
ἐπιθυμία エピテューミアー 欲望 可愛い「エピテュ」ちゃんと「見合い」したいという欲望
ἑσπέρα ヘスペラー 夕方
εὐδαιμονία エウダイモニアー 幸福
ἦσαν エサン あった[三人称複数形]
οἰκία オイキアー 家
προτείνω プロテイノー 延びる
σοφία ソフィアー 智慧 
στρατιά ストラティアー 軍隊 英語の strategy の語源
συμφορά シュムフォラー 災い 良くないことが起きた。「しゅん」「ほらー(言ったじゃん)」
φέρω フェロー 運ぶ 「フェリー」で運ぶ
ἡμέρα ヘーメラー 英語のday
σκιά スキアー 陰

〈問題〉
1. ἐν ταῖς οἰκιαις θύραι.
それらの家々の中多くの扉がある。
 ※動詞が存在しない場合はbe動詞を補って解釈する
 ドイツ語なら、In den Häuser (sind) Tür.

2. εἴκουσι τ βί
彼らは暴力屈する。
 ※「うし」が語尾の動詞の主語は複数三人称。「彼ら(牛達)は〜」

3. ἐν τῇ χώρᾳ ήσαν αἱ οἰκίαι. 
その国の中には家々あった
 ※「アイ」で終わる定冠詞や「アイ」が語尾の名詞は、複数主格。

4. τῆς ἑσπέρας προτείνει ἡ τῆς οἰκίας σκιά.
夕方に、家の影は長くなる。
 ※「テース」は「ス」で終わるので単数属格。「期間を示す属格」の用法。
  動詞の語尾は「エイ」なので、動詞の主語は三人称単数。
  ἡ τῆς οἰκίας σκιάはドイツ語ならder Schatten des Haus.
  ギリシャ語では語順がder des Haus Schattenとなっていることに注意

5. ἡ σοφία τῆς εύδαιμονίας θύρα
智慧は幸福の扉である。
 ※θύραも単数主格なので主語になることができるように思えるが、一方に定冠詞が付いている場合(この場合は σοφία)は、定冠詞付きの名詞が優先的に主語になる。

6. θύρας ἔχει οἰκία
その家は多くの扉を持つ。
 ※「アース」が語尾の名詞は単数属格と複数対格と二つあるので注意。この場合は複数対格。
7. τί οὐ πέμπετε στρατιαν εἰς την χώραν;
なぜあなた達は軍隊を国へと送らないのか?
 πέμπο 送る

8. τί κλείεις τῆς ἡμέρας τάς θύρας τῆς οἰκίας
なぜあなたは昼間に家の扉を閉めるのですか?

9. συμφορας φέρει ἀδικία.
不正は多くの災いを齎す。

10. αἱ ἐπιθυμίαι την εὐδαιμονίαν βλάπτουσιν.
多くの欲望は幸福を害する。

02. ギリシャ語 -αに終わる女性名詞の変化

-αで終わる女性名詞

単数主格の語尾が α で終わる女性名詞の変化

〈変化表〉
単数主/呼格 χώρα コーラー
単数属格 χώρας コーラース
単数与格 χώρ コー
単数対格 χώραν コーラーン

複数主格 χώραι コーライ
複数属格 χώρῶν コーローン
複数与格 χώραις コーライス
複数対格 χώρας コーラース
※ コーラー(χώρα)は「国、地方」という意味

〈語呂合わせ〉
「あー、あーす(アース=地球)、あ(地球が目の前に来る)、あーん(地球を食べる)」
「あい(愛)、おーん(遠吠え)、あいす(愛す)、あーす(アース=地球)」
何故か「アイスの実」みたいな地球(アース)はがあるとイメージする。

単数形は、目の前にちょうどそれが来たので食べてしまうイメージ。



















複数形は、地球を愛するオオカミが愛を叫んでいるイメージ。



















単数においては s の音が語尾ならば属格、n が語尾ならば対格。
これはドイツ語の男性名詞の単数形の変化(der, des, dem, den)と類似。
 「ア」を伸ばすのが単数呼格=主格。単数与格は「ア」を伸ばさない。

複数においては、「オーン」という変わった変化をするもの(この変化は他の変化においても登場する)が属格
「〜アイ」というふうに呼ばれるのが呼格=主格

01. ギリシャ語 ω動詞の現在直説法能動相の変化

〈はじめに〉

 当サイトをご訪問いただきありがとうございます。このブログは古典ギリシャ語・ラテン語の文法事項や単語を初学者が効率的に覚える方法はないかと考えた末に、私が考案した語呂合わせを紹介しています。
  語呂合わせで覚えるという方法は、言語学的にほぼ関係のない日本語と古典ギリシャ語・ラテン語を無理矢理結びつけるという点で、必ずしも推奨されるべき学習法とは言えないかもしれません。しかし、いずれは語呂合わせを捨て去ることを前提にすれば、学習の始めに限っては語呂合わせを有効活用することは有益であると考えています。最初は語呂合わせに頼っていても、そのうち頼らずとも読めるようになり、いずれは語呂合わせ自体を忘れてギリシャ語・ラテン語が読解可能になることが当ブログの最終的な目標です。
 古典ギリシャ語・ラテン語の独習者の方は勿論のこと、特に大学の授業等でギリシャ語・ラテン語を履修されている初学者の方の参考として活用して頂くことを想定しています。また、練習問題の解答は試訳であり、間違いがないことを保障するものではないことをご了承ください。
 また、当ブログの古典ギリシャ語・ラテン語関連の一連の投稿は、それぞれ『ギリシア語入門 改訂版』 『新ラテン文法』の構成に沿っています。ただし『ギリシャ語入門 改訂版』『新ラテン語文法』の内容をそのまま載せているわけではなく、最も基本的な文法事項を覚えるための効果的な語呂合わせを中心に紹介しています。 当ブログで扱いきれていない詳しい文法事項については、『ギリシア語入門 改訂版』 『新ラテン文法』等の古典ギリシャ語・ラテン語の基本書を参照して下さい。

ω動詞の現在直説法能動相の変化

・ギリシャ語の動詞は ω動詞(オー動詞)と μἰ動詞(ミー動詞)に分けられ、90%以上が前者
・ギリシャ語の動詞には英語のように単数形複数形がある(他に双数形があるが、これは稀)
・まずは ω動詞(オー動詞)を扱う
・以下はω動詞の現在直説法能動相の変化である

〈変化表〉
現在直説法能動相(ω動詞)
一人称単数 παιδεύω パイデウオー
二人称単数 παιδεύεις パイデウエイス
三人称単数 παιδεύει パイデウエイ
一人称複数 παιδεύομεν パイデウオメン
二人称複数 παιδεύετε パイデウエテ
三人称複数 παιδεύουσι[ν] パイデウウシ(ン)

※ パイデウオーπαιδεύωは、「(私は)教育する」という意味
これを由来とする語としては、英語の pedagogy、ドイツ語の Pädagogik、 フランス語の pédagogie 等がある(いずれも「教育学」という意味)
語幹はπαιδεύ(パイデウ)


〈語呂合わせ〉
変化する箇所(太字)だけを繋げると、
 
オー/エイス/エイ//オメン/エテ/ウシ(ン)
となる
「おー(今年の)エース(は魚の)エイ」
「お面、得て、牛」
と覚える

単数形は、なぜか今年のチームのエースが魚のエイになってしまって、その発表を聞いて謎の感嘆(「おー」)が漏れているイメージ。


複数形は、人がお面をかぶって獅子舞になるイメージ。

一つ目の語呂合わせ。こんな感じでどうでしょうか?笑


〈ポイント〉
オー」が語尾ならば、その動詞の主語は「私」。
エイス」が語尾なら、その動詞の主語は「あなた」。
エイ」が語尾なら、主語は「彼」や「彼女」や「あの人」や「ジョン」。
 
オメン」なら「私たち」、
エテ」なら「あなたたち」、
「ウシ(ン)」なら「彼ら」。
」から始めるのは、どちらも一人称である。
エテ」はあまり出ない(あなたたち、と語りかける場面は日常的にはあまり存在しないため)。
 
すると「エ」から始まるのは主に「エイス」か「エイ」であり、短い方(エイ)が来たら三人称単数、と覚えればよい。
「ウシ」はよく出るが、これは牛がそこら中にたくさん居るイメージで、「彼らは牛」と覚える。

ーー

練習問題


〈単語〉
γράφω グラフォー 書く 英語のgraph

ἔχω エコー 持っている、(或る状態で)ある
 
κακῶς カコース 悪い ※「かこー(過去)」はいつも「悪い」
 
καλῶς カロース 良い ※「かろ」うじて「良い」
 
κελεύω ケレウオー 命令する ※「蹴れ!魚(う)を...」と「命令する」
 
κλείω クレイオー 閉じる
 英語のcloseに似ている?
 
λέγω レゴー 言う 「ロゴス」(言葉、理性などの意味)は名詞形
 
οὐ ウ 英語の not 頻出!

οὐ 〜, ἀλλἀ 〜 ウ…, アッラ… 英語のいわゆる not A, but B
 
οὐ μόνον 〜, ἀλλἀ καί 〜 ウ モノン…, アッラ カイ… 英語のいわゆる not only A, but also B 俺「だけ」の「もの」、そう思ったら「あっらー」(but)、違った
 
πιστεύω ピステウオー 信じる 
 英語のpious(信心深い)に似ている?
 
πῶς ポース いかに 英語の how 「どうやって一瞬で坊主(ぽーす)になったんだ?」
 
τήν θύραν テーン テュラン ドアを テーンは定冠詞
 
τί ティ なぜ 英語の why 「ちっ(なぜだ…)」
 
φεύγω フェウゴー 逃げる
 英語のrefugee(避難民)に似ている?


〈問題〉
1. γράφεις. 
あなたは書く。
語尾変化が「エ」の音から始まっていて、長いので、二人称単数

2. κελεύομεν. 
われわれは命令する。
「オ」から始まるのは一人称。
「オメン」は複数。(「オー」が単数)

3. πιστεύετον.
二人は信じる。
※これはこのページでは扱っていない「双数形」

4. φεύγουσι;
彼らは逃げるのか?
「;」の記号は疑問形の「?」を意味する。
「ウシ」で終わるのは三人称複数しかない。

5. κλείετε τήν θύπαν. 
あなた達はドアを閉める。
「エテ」は珍しい。

6. τι φεύγετε;
なぜあなた達は逃げるのか?
再び「エテ」。

7. οὐ λεγο, ἀλλά γράφω.
は言うのではなく、書く。
「オー」は一人称単数

8. πως ἔχει;
彼/彼女(の状態)はどうですか?
「エイ」は三人称単数
英語に直訳すると how he/she has (it)?

9. οὐ καλῶς ἔχει, ἀλλά κακῶς.
彼/彼女(の状態)は良くなく、悪い。
英語に直訳すると he/she has not good, but bad.

10. οὐ μόνον λέγει, ἀλλά καί πιστεὐει.
は語るだけではなく、信じてもいる。